東国花の寺百ヶ寺とは
 
 
 東国花の寺は、関東1都6県の「花の寺」と称される寺院が集まり、平成13年3月に発会いたしました。 物質に恵まれ、科学技術の発達で便利になった現代社会。その反面、ストレス社会という言葉が示すように、心は置き去りにされ、不安な日々を送る人々が増えているのも確かであります。 東国花の寺では、宗派や宗旨の隔てなく、仏さまの教えを基に、この物質社会の現代に生きる人々が、心に「花」を咲かせて欲しいとの願いで結成されたものです。 現在は103ヶ寺の寺院が加盟しております。それぞれのお寺に咲く花々を機き縁えんとし、一般の方々と仏教寺院との垣根を取り払い、「いのち」や「祈り」の尊さを伝え、心豊かな社会づくりに貢献できる「安あん心じんの場」となることを願っております。
 
     
 
仏教と花の密接な関係
 
 
 仏教寺院では、日々、仏さまに香を焚き、灯明をともし、そして花を供えます。花を供えることは忍にん辱にく行ぎょうに通じており、「外部から受ける恥辱や危害をよく堪え忍ぶこと」を表しています。 植物が花を咲かせるまでには、雨、風、鳥虫獣などの様々な危害があります。誰の眼にも止められず、ただ、ひっそりと堪え忍び、時を待ち、そして花を開く──そんな花のすがたを尊び、仏さまに捧げることで、忍辱の心を養っていくのです。
 
     
 
ただ花を見るのではなく、観かんじて欲しい
 
 
「咲いた花みて喜ぶならば 咲かせた根元の恩を知れ」という言葉があります。 花は、自分だけの力では決して咲きはしません。土や水や光や空気……大自然の恵みを受けて精一杯に咲かせていただいているのです。我々人間も決してひとりでは生きていけません。親をはじめ、数え切れない人々の恩恵を受け、気がつかないほどに大きな働きのなかで、因と縁によって生かされているのです。 しかし、咲いた花ばかりに気をとられ、見えない部分には、なかなか気がつかないものです。東国花の寺を巡り、心静かにお参りすれば、花木をとおし、仏さまはたくさんのことを気づかせてくださいます。 そして、自然の恵みと、仏さまの恵みに感謝して、そっと手を合わせれば、心の奥底に芽生えるものがあるはずです。その小さな新芽は、いつの日か満開となる時を迎えることでしょう。